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【自費出版】原稿を書いた後はどうすればいい?

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原稿は書いたものの、自費出版するために何をどうしていいのかわからない人向けの記事です。

 

原稿の入力が終わったあなたは、自費出版のプロセスの中でいちばん時間のかかる作業をクリアしたと言えるでしょう。

お疲れ様でした。

さて、内容や出来ばえはさておき、原稿ができあがったあとは主に次のようなステップを踏んでいけばあなただけの本が出来上がります。

 

1.原稿をチェックする
①誤字や脱字などがないかをチェックする

②表記方法や言葉使いが統一されているかチェックする

③不適切な表現や著作権の違反がないかチェックする

2.原稿を編集して本の体裁に整える
①ページのサイズ・レイアウト・デザインを決める

②フォントや文字サイズを決める

③挿入する図表や絵を作成して各ページに配置する

④ページ番号をつける

3.本文以外の部分を原稿に加える
①目次や奥付などを作成して原稿に追加する

②表紙(カバー)をデザインして作成する

4.自費出版サービス会社を決定する
①サービス内容やコストで比較して選ぶ

②サービス提供側の指示に従って作業を進める

 

それぞれのステップについてポイントを紹介しましょう。

 

1-①誤字・脱字などのチェック

一般的に「校正」と言われるチェックおよび訂正の作業です。

原稿を書いているときは早く本にしたいという気持ちも手伝ってどんどん書き進めることと思います。

もちろん入力ミスがないように細心の注意を払っていると思いますが、自分の考えを文章にするとき、自分でも気がついていない思い込みがあって、それが原因となる間違いが起こりやすいものです。

したがってこの校正作業は本来、第三者にやってもらうのが得策なのです。

 

もちろん自分でやってもよいのですが、思い込みによる間違いは、そのように思い込んでいる自分で見つけることは困難で、そのうえ実は自分の原稿を何度もチェックするのは大変な苦痛を伴うものです。

知らないうちに「大丈夫だろうバイアス」が働いて、間違いを見逃してしまうのです。

いずれにしてもこの校正作業は自費出版の基本中の基本の作業で、手を抜くと必ずあとで後悔することになります。

 

1-②表記方法や言葉使いのチェック

ここでいう表記方法とは、たとえば「~してください」と言うときに「下さい」と漢字を使うのか、それともひらがなにするのか、ということです。

古代史では年号や世紀を表すときに数字なのか、漢数字なのか、『古事記』と『日本書紀』で人名表記が違う場合は(通常は違っていますが)どちらを使うのか、あるいはカタカナにするのか、というようなケースが該当します。

言葉使いとはたとえば文末は「です、ます」なのか、「である」を使うのか、というようなことです。

これらは自分の好みや読みやすさを基準に決めればよいのですが、重要なことはどちらかに統一するということです。

混在はダメです。

 

1-③不適切表現や著作権違反がないかのチェック

これも大事なポイントですね。

ひと昔前までは普通に使えていた言葉も現在では差別的な表現に該当することがあります。

これは特に年配の方は要注意ですね。

また、プライバシーや個人情報保護の観点から、個人が特定できてしまう情報が記載されていないかもチェックが必要です。

写真を掲載する場合などは見逃しがちなので気をつけましょう。

さらに法的な観点でいうと、著作権を侵害していないことが重要となります。

とくに書籍の販売を考えている方は細心の注意が求められます。

ほかの人の書籍や論文などから引用する場合は出典を示すこと、ホームページなどに掲載された写真を使う場合はそもそも使っていいのか、使うにあたっては掲載元の承諾が必要などの条件がないのか、などなど念入りにチェックして、くれぐれも著作権侵害で訴えられることがないように。

 

2.原稿を編集して本の体裁に整える

ここは①から④までまとめて書きます。

原稿が書きあがった状態というのはおそらくワードなどのソフトを使っていわゆる本文にあたる部分の文章を入力し終えた状態だと思います。

これを書籍にするためにはさらに手を加えて体裁を整える必要があります。

  • 文章は縦書きなのか、横書きなのか
  • 本のサイズはA5版なのか、それともB5版にするのか
  • フォントは明朝体がいいのか、ゴシック体がいいのか
  • 文字のサイズはどうしようか
  • 図表や写真がうまく挿入できるか
  • ページ番号をどこにどのようにつけようか

書きあがった原稿にこれらのことを付加して初めて印刷のステップに進めることができます。

 

3.本文以外の部分を原稿に追加

ここも①②まとめて書きます。

目次や奥付の作成は前述の2の作業としてもよいのですが、自費出版サービスで自動的に付加される場合もあるので別項目としました。

奥付とは巻末に書かれる題名、著者名、出版社名、著作権表示などのことです。

表紙についても自費出版サービスで提供されているデザインを利用することが可能ですが、表紙は書籍の顔にあたる部分なので、せっかくなら自分でデザインするのもいいのではないでしょうか。

本文と違ってパワーポイントなどを使えるので自由にデザインしてみてください。

 

4.自費出版サービス会社を決定する

このステップは便宜的に最後のステップとしていますが、もっと早い段階でも問題ありません。

むしろ原稿ができあがった段階で取り組んだ方がいいかもわかりません。

というのも、選択する自費出版サービスによって提供されるサービスの内容が違うので、それをわかった上で校正や編集などに取り組めば、場合によっては作業が簡略化できたり、有料のオプションサービスが使えたりすることがあるのです。

どういうサービスが提供されているかというのは、コストとともに自費出版サービスを決定する重要な要素になります。

決定した後は決められた手順に従って作業を進めていけばお手元に本が届けられます。

 

 

以上のように、それなりの時間をかけて原稿を書き終えて一段落と思っているあなた、実は本が出来上がるまでの全体の行程でいえば、まだ道半ばということをわかっていただけたと思います。

また、残り半分の行程はとくに面倒なことが多いので、第三者の力を借りるという選択もアリだと思います。

自前でやることと第三者にまかせることを上手に組み合わせるのがよいでしょう。