自費出版業者を選ぶ時に、何を基準に選べばよいか教えてほしい人向けの記事です。
今や「自費出版」というキーワードでググってみると、出版社や印刷会社が提供する自費出版サービスが何ページにもわたって検索結果に出てきます。
ネット時代になって本が売れなくなり、印刷物の利用も激減した昨今、出版社や印刷会社は新しいニーズを取り込もうと激しい競争を展開しているのが手に取るようにわかります。
雨後のタケノコのように出てきたこれらのサービスの中から、あなたの希望に沿ったサービスや事業者を選ぶのは至難の業かもわかりません。
悪質な事業者が混じっている、なんてことも聞くので要注意です。
とはいえ、どんな事業者がどんなサービスを提供しているのかを知らないと、自分がやりたいことが実現できるかどうかを判断することができません。
自費出版業者の比較方法
様々なサービスを比較してどれかひとつに決める場合によくやることは、サービス項目の有無を〇×として星取表を作るとともに、価格表をもとに条件を一定にした場合のコストを算出し、総合的にどれがよいかを決める、というやり方です。
全部調べないと気が済まない方や、ちょっとした違いが気になる方はこの星取表方法を使ってきめ細かく比較検討するのがよいと思いますが、間違いなく結構な手間がかかってしまいます。
しかし、自費出版サービスを選ぶ際にはまず次のことを理解した上で、自分は何をしたいのかを決めておけば、比較検討の手間はかなり簡略化できるはずです。
出版形態は「商業出版」と「自費出版」
紙ベースの本を出版する方法には、出版社が出版に関わる費用をすべて負担する従来型の出版としての「企画出版(商業出版)」と、著者が出版の費用を負担するいわゆる「自費出版」の2つの形態があります。
今これを読んでいるあなたは当然、後者の「自費出版」を考えていると思いますが、実はここでいう自費出版においてもふたつの方法があります。
ひとつは「個人出版」で、もうひとつは「共同出版」と言われるものです。
それぞれ見ていきます。
低コストで夢が実現できる「個人出版」
個人出版は、書店などに流通させることなく、著者の身内や知り合いなど狭い範囲に配布することを目的として本を作ることです。
このような場合は自費出版専門の出版会社に依頼すると、少しばかりの費用はかかりますが、製本された本を1冊単位から作ることが可能です。
この場合、原稿や表紙のデザインなど、すべて著者が作って出版社へ持ち込む(送る)必要があります。
出版社では基本的にデザインや編集などは行いません。
そしてこの個人出版で作られた本は、流通されないためにすべて著者が買い取って、著者自らが身近な人々へ販売または贈呈することになります。
本の装丁、ページ数、冊数にもよりますが、安く済ませようと思えば10万円以内で夢を実現させることができます。
流通にのせて販売できる「共同出版」
もう一方の共同出版は、出版にかかる費用(製作費)は著者が負担し、出版社は編集や販促活動の面で協力をするという出版形態です。
著者の負担額(負担割合)や出版社の活動内容は契約を交わして取り決めします。
個人出版との違いは何といっても書店やネットなどの流通にのせて販売するということです。
ただし、編集や販促に関わる費用は出版社が負担するとはいえ、著作者が負担する製作費は個人出版に比べて桁が1つ上がると考えておく必要があります。
冊数にもよりますが少なくとも2~300万円程度は覚悟しておいたほうがよさそうです。
初期費用をおさえてAmazon販売
また、最近ではオンデマンド印刷というサービスもあり、基本的な作業はすべて自分でやるという前提で、初期費用をほとんどかけずにAmazonで販売することができるようになっています。
ただし、Amazonで自分の本が販売されるという満足感や嬉しさは得られるものの、販促活動を何もしなければ売り上げは期待できないのが実態だと思います。
自費出版で本を作るに際しては、自分や家族のための限定版でいいのか、書店やネットで販売したいのか、さらに電子書籍としても販売したいのかなど、いくつかのパターンがあるので、最初にそれを決めておくのがいいでしょう。
かけられるコストも重要な条件
どれくらいコスト負担できるのかも重要な条件となりますね。
その上で、数ある自費出版サービスの中から、負担できるコストの範囲で自分がやりたいことが可能なサービスをいくつかピックアップします。
そして最後に事業者に対する信頼感やオプションサービスの内容なども加味して詳しく比較検討してみてはどうでしょうか。
概ねの傾向として、いわゆる出版社系は個人出版から商業出版まで、本の出版・販売に関する全てのサービスが可能で、印刷会社系は個人出版が得意なようです。