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【自費出版】気をつけたい法的な制約

自費出版で法的な制約など、気を付けなければならないことがあれば教えてほしい人向けの記事です。

 

自費出版で本を作ろう、そして販売しようと考えているあなた、いいところに気がつきましたね。

そうなんです。

本を作って販売するというプロセスには様々に気をつけなければならないことがあるのです。

ここでは特に注意を要することについて説明します。

 

知らないでは済まされない著作権

まず、本の制作にあたって最も知っておかなければならないことは「著作権」です。

著作権とは、著作物を創作したときに自然に発生するもので、特許権や商標権などのように権利を獲得するために登録が必要となるようなものではありません。

 

また、その著作権は著作物を創作した人に帰属することになります。

もしもあなたが原稿を書くにあたって、この著作権が認められている著作物を勝手に利用すると、著作権を侵害したことになるので気をつけてください。

たとえば次のような行為が該当します。

  • 他人の著作物の文章や写真などを無断で使用する
  • 自分の著作物でないものを修正して使用する
  • 既存のキャラクターを許可無く使用する

なお、この場合の著作物は書籍や論文だけでなく、Webサイトのコンテンツも同様となります。

とくに個人のブログの場合、そこに掲載されている写真がすでに著作権を侵害しているケースが考えられるので要注意、というよりもそのような写真を使わないのがいいですね。

君子危うきに近寄らず、です。

 

ルールを理解してうまく活用したい引用

また、著作物の文章の一部分を引用する場合には、以下の点に注意をすれば、著作権所有者に許可を取らずに無断で利用することができるので、これは覚えておいてください。

とくに4点目の「出所を明示すること」というのは重要なので必ず意識するようにしてください。

  • 引用する必然性があること
  • 自分の著作物と引用部分とが区別されていること
  • 引用する著作物との主従関係が明確であり、自分の著作物が主体であること
  • 引用した著作物の出所の明示がなされていること

 

著作権は自費出版においても認められるもので、あなた自身が著者として原稿を書いて自費出版をする場合は、あなたは自動的にその本の著作権を保有することになりますので、逆にあなたの著作物に対して上記のような侵害行為があった場合は相手を訴えることができます。

 

出版する権利は誰のもの?

次に「出版権」についても押さえておくのがよいと思います。

出版権とは、ある書籍を出版する権利のことですが、自費出版であっても市場に流通させる場合は基本的に出版権は出版社が保有することになります。

逆に書店に流通させない場合は、出版権は著作者に発生し、出版社には発生しません。

 

出版権が出版社にある場合は、たとえ著作者であってもその本を出版社に無断で出版することはできないので要注意です。

電子書籍として出版社を経由せずに販売したいと考えている場合などは、出版権を自分で保有することが重要です。

 

プライバシーの侵害にも注意

以上の2つ、「著作権」と「出版権」は権利に関することでしたが、それらと同じくらいに注意が必要となるのは「プライバシー」や「個人情報」に関することです。

本人の承諾を得ずに個人のプラバシーに関する情報が、その個人が特定できてしまう情報とともに掲載されることは絶対にあってはなりません。

個人が特定できてしまう情報とは、氏名や住所に限らず、いくつかの情報を組み合わせればどこの誰かわかってしまう場合や、挿入された写真に当事者の顔が映っている場合なども該当します。

また、仮に掲載される内容が該当する個人にとって有利な情報であったとしてもプライバシーに関するものである以上はプライバシー侵害にあたる可能性があります。

いずれにしても逆の立場になったときのことを考えると慎重にならざるを得ないと思います。

ある日突然、あなたの顔写真が知らない人の本に掲載されていた、なんてことになれば問題にしたくなりますよね。

あなたが同じことをしてしまわないように気をつけましょう。

 

誰も指摘してくれない?用語の使い方

最後にもう一つ、用語の使い方にも注意を要するものがあるので指摘しておきましょう。

具体的な例をここに挙げるわけにはいきませんが、ひと昔前まで日常的に使用していた言葉が今となっては差別用語に該当するとか、これまで何も気にせずに使っていた言葉が不快感を与えることがあるとか、世の中の価値観や社会情勢の変化に伴って使用すべきではない、あるいは使用しない方がいい言葉に変わってしまっている場合があります。

 

特に古い考え方を捨てきれない年配の方は要注意かもしれません。

 

以上のように、ご自身の原稿を書籍化するにあたっては、著作権などの法的な制約だけでなく、様々なリスクを想定しなければならないことがお解りいただけたと思いますが、これらのチェックも先入観を持たない第三者にチェックしてもらうと安心感が増しますね。

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